「シャングリラ」公演は本当に感動的でした。
雲南の自然から生まれた歌と踊りには、京劇や雑技団などの舞台から
は感じられない、団員たちの熱い想いがあふれています。
今回の公演のための2つの新たな演目も加えられていました。
2009年の新しい舞台作品「雲南響声」の中の1曲、
「吹竹子(竹子笛)」で、雲南特産の10メートルもの青竹を
男女が一緒に吹くもので、ギネスブックにも申請中とか。

もうひとつは、最後にヤン・リーピンが舞う「孔雀の舞」に
群舞が加えられたことです。
シャングリラ公演の会場で販売されていたDVDには、ヤン・リーピンが
シャングリラを作り上げるまでの道のりが解説されていました。
ヤン・リーピンのシャングリラを語る時、忘れてならない人物が
田豊です。
1985年に雲南省に招請され作曲を依頼された著名な作曲家、田豊は、
雲南省各地をまわり、100本以上のテープに少数民族音楽を記録し、
雲南民間歌舞に触れることでその価値に気づきます。
こうした芸能は、雲南の各少数民族の村々の生活の中にうずもれて
いて、田豊は数千年にものぼる長い年月の間に培われてきた
絢爛多彩な民間文化を、より多くの人々に理解し受け入れて
もらいたいと願ったのです。
1994年1月、田豊は、昆明から40キロほど離れた安寧県内に、
雲南の民間芸能を伝承するための『雲南民族文化伝習館』を
設立しました。
伝習館の教師や生徒は、田豊が雲南の辺境各地から呼び集めた
農民たちでした。
伝習館の人数は、彝族、哈尼族、納西族、チベット族、ワ族、ヌー族、
ドゥーロン(独龍)族、リス族など90人以上にものぼりました。
しかし常に資金不足であったため、安寧県で3度も移転を繰り返した
すえに、安寧県県政府の援助や寄付金などによって、太平郷の
「妥楽農場」に落ち着きます。
1998年には民族音楽を取り入れた斬新な歌手の朱哲琴(Dadawa)が
来訪し、ヤン・リーピンも伝習館で伝統的民族民間歌舞を取り入れ、
舞踏劇『女国』のリハーサルを行ないました。
1999年には雲南旅遊歌舞団として1年の芸能活動を行うことになり、
ヤン・リーピンも演出を担当することになりました。
しかし2000年5月に、田豊は協力関係にあった雲南山林文化有限会社
との裁判沙汰に敗訴し、伝習館は直ちに解散させられてしまいました。
田豊は体調を崩し、2001年6月に末期の肺がんで67年の生涯を
閉じます。
ヤン・リーピンも40万元の負債と60人の踊り子たちのために、
自宅を売りCMに出演して稼ぐなどあらゆる手を尽くして稽古を
再開しました。
子供の頃から貧しさに負けず母を助けて生きてきたので、友達からは
「楊鉄人」と呼ばれるほどの剛直な性格は、どんな困難も楽しみに
換えてしまえるほどになりました。
2003年に昆明で初演された「シャングリラ(云南映象)」は、2004年の
北京公演でも大成功をおさめ、最高のプロの舞踏に与えられる
「蓮の花賞」の10部門のうち5つの最高賞を受賞しました。
日常生活から生まれた、いわばアマチュアの舞踏の中に真実を再発見
されたのでした。
アメリカのブロードウェイでの大成功をきっかけに17カ国との
出演契約もとれ、6年で2000回!公演の予定となりました。
この「シャングリラ」公演の素晴らしさは、DVDの100倍もすごくて、
見逃した方は雲南省の昆明に観に行きましょう!
海外公演チームとは別に国内チームも毎晩やっている
ようですよ。
楊麗萍(ヤン・リーピン)
「雲南映像(云南映象)」民族ショーは観光ナイトツアーで
鑑賞する価値も十分にあると思います。

2009/10/31で昆明会堂での公演は突然終了してた!
昆明会堂は壊されるとのことで、ステージが
どこかで再開されるかは未定。

(フォートラベルの投稿の中に12月に公演を観たとの話あり)
【劇場名】昆明会堂(昆明市役所の付属施設、昆明市の中心地にあり)
【出演時間】20:00−22:00(年中無休)
【チケット料金】140 元、220元、300元、400元。
400元、1階の4、5列
300元、1階の1、2、3、6、7列
220元、1階の8〜18列、2階の1〜20列
140元、2階の21〜30列
謝謝 楊麗萍! 謝謝 田豊!